日カラココカラ

化学をつくる(研究・開発・生産)人のためのお役立ち情報を発信!

セラミックス製造に求められる顆粒化とは?―セラミックス顆粒の製造事例


  • X
  • Facebook
  • HatenaBookmark

日本カラー工業では、「流動性の高いセラミックス顆粒」の生産を実現します。
スプレードライ法を用いた顆粒化技術を中心に、顆粒化事例、セラミックス対応・耐摩耗性設備の改善事例をご紹介します。

セラミックスとは?

セラミックスとは、一般的に金属元素と非金属元素の組み合わせによるイオン結合、あるいは共有結合によってできる材料です。
プラスチックなどの樹脂や金属と比較して、耐熱性・耐食性・耐摩耗性に優れています。日常的には、セラミックス素材の成形体として目にすることが多く、人口歯や茶わん、セラミックス包丁などがあります。当社のような化学工場における粉体加工現場でも、湿式粉砕に使う粉砕メディア(ビーズ)や撹拌機のローターなど、多くの場面でセラミックスが使われています。

セラミックスの製造工程

セラミックスの製造工程は、大きく粉体調整成形焼成の3工程に分かれます。
まず、粉体調整では、原料粉末を均一に混合し、必要に応じてバインダーや溶媒を加えて加工しやすいセラミックス顆粒(粉体)にします。成形に使われるセラミックス顆粒には、成形不良を起こさないために、粒度の均一性・流動性などが求められます。次に、成形では、押出成形や射出成形などの方法が用いられ、成形体へ整えます。最後に、焼成によって高温で加熱し、粉末粒子を焼結させて強度や耐久性を向上させます。この3つの工程は、密接な関係を持ち、どの工程が欠けても、求める特性のセラミックスを得ることができません。

成形工程に適した顆粒とは?

セラミックスの成形工程では、型の隅々までセラミックス顆粒を充填し、そこに圧力をかけることで、成形体を作りだします。加圧とともに、顆粒内および顆粒間の気孔(下図黄色い丸)は減少していきますが、残留気孔が多い場合、次工程である焼成工程中のクラック発生要因となります。

このような加圧成形後の残留気孔を減らすための、顆粒における2つのポイントをご説明します。

ポイント①:顆粒の形状

なるべく顆粒が球形であれば、成形型へ粒子を均一に流し込むことができ、加圧成形時に均一に圧力をかけることができます。

ポイント②:顆粒の強度

顆粒の強度が弱すぎる場合、成形型へ充填途中に顆粒が崩壊しやすく、顆粒形状が均一ではなくなるため、流動性・充填効率が悪化します。一方、顆粒の強度が強すぎる場合、加圧成形時に加圧崩壊(圧力伝達)しないため、均一な成形ができなくなってしまいます。

顆粒強度は、その顆粒を構成する粒子サイズに影響されることがあります。
スプレードライ前に、ビーズミルやボールミルなどの湿式粉砕を行うことで、粒子サイズを小さくし、表面活性を強くすることで、スプレードライ時に強いファンデールワールス力が働き、顆粒強度を上げることができます。

当社では、上記のような成形工程に求められる、
「粉体の形状・サイズを揃えたセラミックス粉体」=「流動性の高いセラミックス顆粒」の製造が可能です

セラミックスの顆粒化を検討されている方は、まずは日本カラー工業へご相談ください。

セラミックス顆粒の製造事例

当社では、ビーズミルによる湿式粉砕とスプレードライによる噴霧乾燥・造粒により、加圧成形に適したセラミックス顆粒が製造可能です。
当社独自のテストデータを元に、流動性の高いセラミックス顆粒(ハイドロキシアパタイト)の製造事例をご紹介します。

工程1:ビーズミルによる湿式粉砕

対応設備:ピコミル、フリッチュミル

工程2:スプレードライヤーによる噴霧乾燥・造粒

対応設備:研究開発向けスプレードライヤー(5号機)試作~少量生産向けスプレードライヤー(1号機)4流体ノズル対応スプレードライヤー(6号機)

セラミックス対応・耐摩耗性設備の改善事例

セラミックスの顆粒化における課題としてよくあげられるのが、スプレードライ装置自体の摩耗です。
下記写真は、天然ゼオライトをスプレードライしたときのアトマイザディスク(遠心力により液滴を作る箇所)ですが、数時間の運転でも激しく摩耗していることが分かります。摩耗が広がると、設備への影響だけでなく、液滴化・顆粒化ができず、摩耗したステンレスが異物となって製品へ混入するケースもあります。

耐摩耗性の高い設備へ改善

当社では、このような設備の摩耗防止策として、セラミックスを原料とする場合、摩耗が激しくなる箇所の接液部は、
同じセラミックス製または耐摩耗性の高いUHMW(高密度ポリエチレン)製の耐摩耗性設備を使用しています。

 

セラミックス製(接液部)のアトマイザディスク

UHMW(高密度ポリエチレン)製の撹拌羽根

セラミックス製・UHMW製の給液ポンプ用部品

セラミックスの顆粒化を検討されている方は、まずは日本カラー工業へご相談ください。