化粧品成分を安定させるマイクロカプセル化とは?―香料のマイクロカプセル・粉末化事例

日本カラー工業では、化粧品成分の高機能化に欠かせない粒子複合化・マイクロカプセル化を実現します。
この記事では、ホモミクサー(乳化機)でマイクロカプセル化した香料をスプレードライヤーで粉末化まで対応可能、マイクロカプセル化事例をご紹介します。

ビタミンや香料のマイクロカプセル化
化粧品に配合されるレチノール(ビタミンA)、アスコルビン酸(ビタミンC)などの美容成分やメントールなどの香料成分は、化学的に不安定なものが多く、保管状態を限定しないと、簡単に成分が分解・酸化・気化してしまい、有効性を失ってしまいます。
不安定な有効成分を、化粧品に配合する方法の一つに、シクロデキストリンの包接作用を利用したマイクロカプセル化が知られています。シクロデキストリンは外側が親水性、内側が疎水性のコップのような分子構造をしており、内側に不安定な有効成分を取り込む(包接する)ことで、紫外線や熱から有効成分を守り、製品中で有効成分を長持ちさせることができます。
また、シクロデキストリンの外側は、疎水性になっており、脂溶性の有効成分の水分散性を向上させ、美容クリームなどの製品分離を防ぐことができます。


受託例・加工事例:香料のマイクロカプセル・粉末化
マイクロカプセル化(乳化)
乳化機を使用し、加熱溶解したメントールとシクロデキストリン粉末を乳化し、シクロデキストリンにメントールを包接させます。
*今回はラボ機でテストしましたが、量産向けの乳化機を2025年7月より受託開始予定です。

粉末化(噴霧乾燥)
マイクロカプセルスラリーをスプレードライヤーの低温乾燥により、粉末化させることも可能です。
使用設備:スプレードライヤー(5号機)
*今回はラボ機でテストしましたが、量産向けスプレードライヤー(4号機)もございます。

成分を長持ちさせる、マイクロカプセルの徐放機能
マイクロカプセル化することにより、メントールの揮発性が抑制されるため乾燥粉末は無臭ですが、水に分散させると清涼感のあるメントールの香りが少しずつ放出します。
このように、マイクロカプセル化することで、中身の有効成分や香料を少しずつ放出させる=成分を長持ちさせる「徐放機能」を付与することができます。